台風、地震と天災につぐ天災のなか、身も心もわさわさと波打つような日々の中で、衝撃的なニュースが発表されました。
厚生労働省研究班によると、妊娠中や産後一年未満に死亡した妊産婦357人の死因の調査で、
自殺 102人
心疾患 28人
脳神経疾患 24人
出血 23人
自殺が最多であることがわかった。
新聞の記事では、産後うつでメンタル悪化か?というような簡単な考察でまとめられていたけれど、ご本人のお気持ちも当然のことながら、残されたご家族、成長するにつれ、お母さんのことを想うであろう赤ちゃん、また、このニュースに接して、複雑な気持ちになるであろう不妊でお悩みの方のことを想うと、胸がつぶれそうな思いになります。
産後うつという言葉が奇異でもなく、一般的に使われるようになっているのだから、その対策もあるのかと思いきや、記事にも医師や保健所に相談するように・・・という呼びかけだけです。
もちろん、行政としてはそれ以上の対策はできないでしょう。
自分の時のことを思い出してみます。
私は京都で出産し、一か月は自宅で過ごしました。当時の夫は自営業でしたから、時間の融通がきき、比較的家事もよく手伝ってくれていたと記憶しています。
二か月目は、兵庫県の実家に帰り、両親の庇護のもと、一か月間ゆっくりと育児に専念させてもらったので、本当に恵まれた立場だったと思います。
あの時、夫や実家に頼れなかったら?
やはり、思うようにおっぱいを飲んでくれない我が子にいらだち、満足に眠れないことで、正常な精神状態ではいられなかったでしょう。
女性は骨盤の動きにつれて、感情が上下します。
生理の時の骨盤の開閉にさえ、あれだけ月ごとに感情を揺さぶられるのですから、妊娠、出産という大きな骨盤の動きの中で、感情が乱れないわけがありません。
骨盤が揃うまで座ったり立ったりしない。
冷たい水を触らない。
眼をつかわない。
ということは、昔からおばあちゃんの知恵として、語り継がれていたことです。
西洋医学的にみても、産褥期はホルモンの激変によって精神的な不調を抱えやすいのです。
でも、現代女性は忙しいから、0歳児から保育園確保のために奔走したり、仕事にすぐに復帰しなければならなかったり、そもそも核家族の中で頼れる実家が近くになければ、上の子の面倒をみたり、手のかかる夫の世話までしたり・・が当たり前の世の中になってしまっています。
ぼ~っと頭の中を空っぽにして、一日中寝ていて、赤ちゃんとウダウダしている・・なんてことは夢のまた夢・・なんて諦めてはいけません。
そういうときこそ、鍼灸院を活用してほしい。
今のご主人は、頭でちゃんと理解できると、体も動かしてくれる人が多いです。
イクメンとしての教育のためにも、お休みの日には赤ちゃんを預けて、鍼灸院にでかけましょう。
シングルマザーの方は、これからの母子生活、なんといっても頼り頼られる仲間が必要です。
今は、ネットで繋がれることも多く、それゆえのシンママ同士の関係性の悩みもあるかとは思いますが、とにかくここはサバイバルしなければなりません。
同じ年齢のこどもを抱えるもの同士は、かえって融通がききませんから、
少し、お兄さんお姉さんのいらっしゃるシンママと助け合える関係が結べたらいいですね。
孤立化せず、こどもを預けたり預けられたりできるような豊かな関係をつくれると、今後の子育てがとてもしやすくなります。
子どもを預けて、ご自身の時間をつくることに罪悪感をもってはいけません。
お母さんになられたあなたは不安でいっぱいだし、からだもとても不安定な状態です。
母乳で育てていらっしゃる方は、お薬を服用するのは避けたいでしょう。
母体の回復、再構成のためには、自律神経が働きやすいように、はりやお灸、指圧で優しく働きかけるのが一番です。
出産直後、初めての鍼灸院の扉をたたくのは、とても勇気がいることだと思います。
だからこそ、妊娠前のとき、赤ちゃんが欲しいと思っていてもいなくても、肩こりやむくみといった、ちょっとした不調を感じた時に、一生つきあえる鍼灸院はどこかな?という視点で鍼灸院を探してみて欲しいのです。
ならまち月燈では、女性の一生をより豊かに、楽に、楽しく送れるようになって欲しいとの思いで開院いたしました。
女性は初潮を迎えるころから、女性ならではの悩みにつまずくこともあれば、女性ならではの喜びに震えることもありますが、喜びだけに満たされた人生などありません。
遅かれ早かれ、思わぬつまずきはありますし、それゆえに人生が豊かになることもあります。
つまずきをつまずきのままにしない力はあなた自身の中にあります。
ならまち月燈では、その力を引き出すお手伝いをさせていただくだけです。